じ、獣害!?我が家の畑がっ?
田舎に移住したばかりの私が、せっかくの広い庭と肥えた腐葉土を活用するため人生初の家庭菜園にチャレンジしています。
が、恐れていた事態が。
獣害です…!!
という事で、その報告とともに獣害問題について考察してみました。
我が家の被害
被害を受けたのは畝第一号の方です。
1か月半の経過報告の通り大した作物はなっていない状態なので、獣さんもすぐに食べるものがない事を察して去って行かれた模様。
なので、被害は大きくはありません。
虫除けトンネルの地面に近い辺りを複数個所破られ、
破いたところから中に侵入したのだと思われます。
不織布トンネルは中が見づらいので、とりあえず数か所破いたのでしょうね。
そして敷いてあったマルチを破り、作物をほじくり出し、
玉ねぎをパクリ。
ご覧の通り、まだピンポン玉サイズにもなっていない、玉ねぎとも呼べない玉無しねぎ?って感じの生育状況です。
しかし器用に玉(になる)部分だけ食ったもんだ。
更に小松菜ゾーンを荒らしまくり、葉っぱが散乱。
ニンニクの芽も1つ齧られていたけれど、辛かったのか食いちぎるには至らず。でも芽は死んじゃったみたい…
そこで諦めたのか、大根ゾーンは無傷でした。
一体何者の所業か!?
で、じゃあ一体どんな獣に荒らされたのか?
自分なりに考察してみました。
前科ありのイノシシか?
お隣さんの畑がイノシシに荒らされたという事は聞いていたので、最もあり得る候補です。
前に荒らされた現場を見せてもらったところ、まるでブルドーザーで掘り返したような勢いで畝が破壊されていたのが衝撃的でした。
ですが、イノシシは基本的にサツマイモやサトイモなどイモ系や大豆などの豆系を好んで荒らすそうなので、そのどちらもない我が家の畝には来ると思えません。
それに、イノシシにトンネルを小さく破るなんて器用さはないと思われます。
襲うならギャンギャン掘り返すでしょうから。
一度だけ目撃したシカか?
次に、一度だけ我が家の庭に訪れたシカですが。
シカは草食で、草や稲などを食べるそう。
確かに小松菜は葉っぱだけど、玉ねぎは葉の部分でなく実の部分が齧られていたし、ちょっと違いそう。
しかもシカの背丈だったら、トンネルの上から穴をあけようとしないだろうか?上から体重かけたら支柱に歪みも生じるんじゃないだろうか?
何度も訪れるサルか?
サルは日中頻繁に見かけるんですよね。我が家の庭はもちろん、その辺の道沿いにも群れや親子をよく見かけます。
お隣さんに聞いた話でも、サルは自宅近隣の住民の間でも被害が深刻だそうで、酷いときは群れで畑を襲いに来て、日中堂々人間を威嚇しながら作物を奪っていくんだそう。
サルは植物をメインとする雑食性で、普段山では木の実などを食べているそう。畑の作物に関しては、辛い物やすごく苦い物以外はほぼなんでも食べるとのことなので、
あり得るかもしれないです。
しかもサルだったら、トンネルの支柱を倒さず不織布の部分だけ破いて、手を突っ込んで玉ねぎ引っこ抜いて…
あり得る。
でもサルって夜行性ではないんですよね。
我が家は人の視線とか気にならない辺りに住んでるので、普段カーテンなどはせず、どオープンなんですね。
ということは、サルの活動時間帯だったら見えてるはず。
その他害獣と呼ばれる類
モグラも我が家の庭に生息しているようなのですが、食べるのはミミズなどだし…
リスや鳥もたくさんいるけど、小動物系が食べるようなものではないし。
うちの辺りにいるかは不明だが、ハクビシンやアライグマによる被害も全国的に多いようですが、狙うのは果実など甘い物がメインとのこと。
違いそうですね。
でもそうなると他に思い当たる節がない…
一体何者の所業なのでしょうね!
那須近隣の被害
私の暮らす那須周辺における害獣トップ3はやはりイノシシ・シカ・サルのようです。
平成30年度における那須塩原市の害獣による農林業の被害総額は以下の通り、無視できない規模。
- サル:1,600万円
- イノシシ:1,400万円
- シカ:1,300万円
実際には作物以外への被害もあるでしょうから、事態は深刻度を増すばかりですね。
今度は那須町のデータですが、平成25年度はイノシシ36頭の捕獲だったのに対し、令和1年には496頭に増加。
行政として対策に尽力せざるを得ない深刻な事態であるということが、読み取れるデータですね。
日本の獣害について
農林水産省によると、対策の甲斐もあり年々農作物への被害は減少傾向とのこと。
とはいえ、野生鳥獣による農作物被害額は158億円(平成30年度)で、依然無視できないレベルのもの。
全体の約7割がシカ、イノシシ、サルによるもの。特にシカは森林(林業などの)被害の約3/4にあたる、年間約6千ha(平成30年度)もの範囲を占めているとのこと。
最大の被害:シカ
シカの被害は農業だけでなく、林業にも及んでいるそう。
シカは林業者が育てたヒノキなどの樹皮を剥ぎ取って食べるそうで、立ち木はそのまま枯れてしまうんだとか。特に若い芽は柔らかいので真っ先に食べられてしまうよう。
そういった被害が増えている原因は、シカの数が増えたせい。
シカ肉やシカ皮の利用が減り、シカの捕獲数が減っているんだそう。あえて野生のシカを捕獲するよりも、安い代用品が大量に存在するため、コストのかかるシカ狩猟をする必要がなくなっちゃったんですね。
しかも世の中の全体の流れとして、エシカル志向がトレンドとなってきているし、本革や毛皮の製品を敬遠する動きが野生動物の捕獲を更に減らす後押しとなるでしょうね。
また、日本という国における高齢化も大きな要因となっているみたい。
狩猟資格保持者が高齢化・減少しているんですって。捕獲する人自体が減ってしまえば、獣害があっても適切に駆除ができませんよね。
また、高齢化によって農業人口が減り耕作放棄地が増えたのも一因だそう。
放棄された農地にはシカの好む雑草や低木が生え、更には周辺の農地の作物も食べるようになり、被害面積が拡大してしまうのだとか。
更に、ニホンオオカミがいなくなり、日本にはシカの天敵がいなくなったことも要因のひとつ。クマもわざわざシカを捕まえて食べないそうです。
人間も人間以外も、シカを捕獲・駆除ができないので、そりゃー増えるしかないですね。
追い打ちをかけるのが温暖化などの影響で積雪が減ったこと。積雪が少ないとシカの行動範囲が広くなるし、今までは冬を乗り越えられなかったシカでも広範囲を歩き回ってエサを求めることができるようになったのだとか。
雪によって餓死するシカが減ったということですね。
被害2位:イノシシ
イノシシもまた、増えてしまっているよう。
まず、イノシシは繁殖力が高く、生後2年で性成熟して、妊娠率はほぼ100%な上に年に4~5頭の子供を産めるのだそう。
そんな勢いだから、駆除するよりも早く増えてしまうらしい。
また、シカと同様、天敵もほとんどいないため、数が増えるばかり。
更には林業の衰退も要因の一つになっているそう。
かつては林業のおかげで山林は管理されていた為、動物達は人の手の入っていない隠れ家を求めて山の奥に住んでいたのだが、外国からの安い材木に取って代わられ日本の林業は衰退。山林は管理が行き届かず荒れ放題になり、イノシシのエサや身を隠す場所が増えてしまったのだそう。
林業やろうにもシカに荒らされるし輸入品に負けるし、林業ややってもやらなくても闇を孕むという皮肉。踏んだり蹴ったりですね。
その結果、イノシシの活動範囲が広がり、民家や農地に足を踏み入れることになったのだとか。
またもや追い討ちをかけるのが、農業人口の高齢化。
高齢者が増えたことで、イノシシから農作物を防ぐための柵づくりや駆除することが難しくなってきたことも要因となっているんだそう。
当然、狩猟免許保持者も高齢化とともに減少しているので、ますますイノシシの数は増える、と。
数が増えれば食べ物も多く必要なわけで、イノシシたちは田畑に活路を見出す、と。
農家のきもちと動物のきもち
高齢化社会における様々な問題についてある程度は知っていたつもりだったけど、改めて見てみるとこんなところにまで影響が及んでいるのですね。
しかも、コロナ禍で改めて脚光を浴びたグローバリゼーションの負の側面が、獣害問題にまで影響を及ぼしていたとは。
でも、グローバリゼーションによって私たちの生活が豊かになった側面もあることは否めないし、
グローバリゼーションによって私の職業が成立しているという個人的な想いもあるし、、、
と同時に、
獣害を受けた被害者でもあるわけで、農家さんなど獣害によって生活に支障をきたしている人たちの気持ちも痛いほどよくわかる。
知れば知るほど、
世の中って一筋縄ではいかない。
でも、今の自分にできることは、
知ること。
そして、
考えること。
だけなのかも知れない。
だけど。
知ってしまった以上は、
逃げないぞ!
という気合いを入れたところで、今回はこれにて。
今後もこういった話題について、自分なりに調べたり考察したりしていきます。
それが私なりの、今とれるアクションだと信じて。
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