「有機」?「オーガニック」?農法について調べてみた
田舎に移住したばかりの私が、せっかくの広い庭と肥えた腐葉土を活用するため人生初の家庭菜園にチャレンジしています。
そんな生活を始めてみると、改めて今まで自分が食べてきた野菜や果物がどのようにして作られているのか、興味がわいてきました。
今まで何の知識もなく「オーガニック」とか「有機栽培」とか、
違いは判らんけどなんとなく体に良さそう!
というイメージだけで買っていたような私ですので、超初歩的なところから調べてみました。
実は同じように考えて食材を選んでいる人たち、多いのではないでしょうか?
参考になれば幸いです。
有機栽培=オーガニック
とりあえず有機栽培=オーガニックである、と理解して問題なさそうです。(なので以後「有機栽培」で統一します)
どちらも、「化学肥料や農薬、遺伝子組換え技術を使わない、環境にやさしい栽培方法」という定義。
私同様、有機栽培とかオーガニックと銘打たれた食材は「安全で美味しい」とイメージしていた人も多いと思います。
ですが、実際にはそれだけでなく、自然の力を生かした環境にやさしい方法により生産されている、という意味も加わっていたんですね。
ちなみに農業における「有機」とは、主に「堆肥」を指します。
「堆肥」とは微生物の力で有機物を完全に分解した物で、原料は様々。一番多いのは家畜の糞を原料としたものです。牛糞(ぎゅうふん)豚糞(とんぷん)鶏糞(けいふん)が多いですね。
また、有機肥料は微生物の働きによってゆっくりと栄養を供給、じっくりと吸収して育てられるため、野菜本来の味が感じられて栄養価の高い作物に育つと言われています。
有機栽培=無農薬じゃなかった!
ですが、驚いたのは、有機栽培=無農薬ではなかった!ということ。
てっきり、そう思ってませんでした!?
有機栽培の定義によると、「化学的に合成された肥料および農薬の使用を避ける」とあるのですが、有機認定される栽培方法の中でも、農薬の使用自体は認められているんです。
ただ、天然原料によるものはOKで化学合成されたものはNGという決まりのようです。
なので、微生物を有効成分としているならば、殺菌剤などのお薬を使ってもいいんですね。
しかも、「有機栽培」は農薬の成分も全てが「有機」というわけではなく、天然原料であれば「無機物」も含まれてるんだそう。
なにはともあれ「有機農産物」として出荷・販売するには、JAS規格による検査に合格する必要あるので、表示がある商品に関してはお国が認めたってことですから、一つの信頼できる指標ですね。
「無農薬」は認められていない
そうは言っても、有機栽培は「化学物質不検出」を保証するものではないそうです。
理由は、土壌になんらかの化学物質が残留している可能性もあるし、どこかから飛んでくる可能性もあるし、農家さんのコントロールの範疇にないところで何が起こるかわからないから、だそう。
同じく、「無農薬栽培」という表示もNG。
消費者にあらぬ誤解を招かないように、とのことですが。
あくまで自然が相手ですから、難しいんですねぇ。
自然農法
ところで、「自然農法」って聞いた事ありませんか?今、「自然農法で野菜を育てる」ということに注目が集まっているんです。
自然農法とは、ざっくりと「農薬や化学肥料などに頼らず、自然の恵みのみで作物を栽培すること」ということですが、明確な定義はないようです。
自然農法自体は昔から存在していたのですが、近年の環境問題や食の安全性に対する消費者の意識の変化から、再注目を浴びたようです。
自然農法では、自然の仕組みを理解し、自然との関わり方を見直します。農業をする際に雑草や虫を害として排除してきましたが、自然の中では雑草も虫も当然に生きていて、それらが「雑」だとか「害」だとか、人間がレッテルを貼っているわけです。
それらと排除するよりも寄り添うことで、自然の力や働きに任せて作物を育てる、という考え方だそうです。
自然農法によって育てられた作物はえぐみが出にくく、栄養分の多い皮も一緒に食べられるのが特徴。作物本来の味が味わえるんだそう。
反面、虫がつきやすかったり、実が小さかったり形が歪だったり、デメリットもあり。
また、作物の成長を自然のサイクルに任せるため、収穫が遅くなったり、個体によって成長スピードがバラバラだったり、
農業=ビジネスとしては成立させずらい事情もあるようです。
慣行農法
方や、一般的に普及しているのが慣行農法。
農薬を使用して作物の病気・虫食いを抑制したり、化学肥料で成長を促したりするので、持続的に・一定の量で・一定のクオリティの作物を収穫可能です。
薬品と言っても、農薬取締法などによって厳しく規制されています。
しかも、ちゃんと防除したい虫や病気のみに作用して、農薬が効かないでほしい人間や畜産動物などには影響がないように作られているそう。
蚊取り線香や虫よけスプレーと同じじゃないですか!
特に生業として農業を営なんでいる人々にとっては収穫量が死活問題ですからね。広大な圃場の効率的な管理のため強力な味方として発展した農法ということなんですね。
特に戦後直後の日本は深刻な食糧難でしたから、その頃から発展し、改善を続けている模様。
その中で、遺伝子組み換えなどによって食味の向上や病害に強い特性などを向上していっているわけです。
それに、ちょっと天候不順だったり、害虫が大量発生するたびに不作になられちゃー農家さんは生活できません。
もちろん消費者自身も、食材が手に入らない、売っていても価格大高騰!なんていったら死活問題なわけですから、安定的供給が保証されているってことはありがたい事ですね。
ちなみに味に関しては、鮮度に勝るものはない、というのが大方の見解みたい。
つまり、有機栽培だろうと自然農法だろうと、採れたての慣行農法の作物ならそっちの方が美味い、と。
結論:情報に惑わされず自分で考えよう!
こうやって見てみると、慣行農法が主流であり続ける事情がよくわかりますね。
特に農業人口の減少と高齢化が深刻ですから、お薬や化学の力に頼らないと消費者全体に食物が行き届かない危険性だってあるわけで。
私たち消費者は、メディアの煽りもあって
「農薬とか化学肥料使うなんて、なんとなく体に悪そう…」
「そんな農法してる農家って酷くない?」
なんてイメージだけで慣行農法に対する偏見を抱きがちですが、実際には「なんとなく安心できる」という曖昧な自己満足だけなんだなぁ、と感じました。
そこに付加価値を見出す人たちは支払えばいいけれど、
と問いたい。
とはいえ、戦後の復興を急いだ結果でもあるということを考えると、21世紀であり令和となった今、そろそろ
「本当に豊かな生活とはなんぞや」について改めて考えませんか?
という気もする。
獣害の問題と同様、引き続き
知って、
考えて、
自分なりにアクションを起こしていこうと思います!
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