非農家の個人が農地を借りる方法[畑を借りたいなら農業公社に相談すべし]
こんにちは!2020年に那須の田舎側に移住したAOです。
移住して広い庭を手に入れてから、
- なんとなく野菜や花を育ててみた
- 面白さにどハマり
- ちゃんとした畑で野菜作ってみたくなった
- 畑借りてみた⬅️今ここ
- 農業で稼いでみたい
というわけで、移住4年目の挑戦として農地を借りてみました。
集落からは離れたエリアに移住したため地元民と交流ゼロの私の事例です。集落に知り合いがいるなら「誰か貸して」って言った方が早いと思います
「農地は非農家には借りれない」という決まりがあることは知ってる人も多いと思いますが、農家にならないと絶対に借りれないというわけではないんです。
農家でなくても農地を楽に借りれる事例としては「ご近所さんにお願いする」ですが、私のように地元民と交流ゼロの場合それは難しい…。
そこで頼るべきは自治体なのだけれど、その場合はそれなりに農業に興味があってトライしてみる気持ちがないと借りれないと思った方がいいです。
絶対に農家にならなきゃいけないというわけではないけれど、「農地を使って悪いことするつもりはない」という誠意を見せる必要があるんだと思う
そこで今回は、非農家の私が農地を借りた体験から「こうするといいよ」というポイントをまとめました。
あくまで私の個人的な体験談から学んだことなので、「これが正解」とか「これしか方法はない」というわけではないです。
また、地域によっては独自のルールや規制があるかもしれません。
以上を踏まえた上で参考にしてみてくださいね♪
- 地元の起農の先輩に相談
- 農業公社に依頼
- 農業委員会と確認
- 農地の地主さんと面談(ご挨拶)
- 借用の手続き
非農家が農地を借りる方法①地元の起農の先輩に相談
農家ではない移住者が農地を借りたい場合、まず最初にすべきなのは「起農の先輩に相談する」こと。
その土地ならではの起農までのステップを聞き出そう
ネットや書籍で色んな起農ハウツーがシェアされていますが、それぞれの土地柄や事情の違いによっては参考にできないことも…。
なので、
- 自分と同くその土地に移住してきた人であり、
- 外から来たからこそ認識できた「地元ルール」を学習しており、
- ゼロスタートで農業を始め〜継続されている方の体験談
はとても貴重です!
地元ルールって中の人は意外と気づいてない場合もあるからね
農業プラン作成の参考情報をもらおう
今回紹介するケースで農地を借りる場合、農業公社にきちんと農地を借りたい理由と運営プランを簡単に説明する必要があります。
そのプランの作成のためにも、先輩の経験やアドバイスをもらっておくと絶対に参考になる!
会社でよくある「ビジネスプラン」とか「年間計画」的なもの程きっちりと作り込まれている必要はありませんし、パワポなど可視化させる必要もありません。
ですが、ノープラン・ノービジョンで「なんとなく農地を借りたいんです」「家庭菜園のために農地を借してください」はNG!
基本的に農地は農業をする前提で貸してもらえる土地なので、それなりのプランを説明できないと貸してもらえないと思っておいた方がいいです。説明は口頭だけでシンプルなものでOK。
絶対NGかは自治体によるかもしれないけど、自分のためにもなるからプランを立てておいて損はないと思う
※地元の起農の先輩に巡り会えなければこのステップはスキップしてもOKだけど、その場合は自分で農業プランを練ってくださいね。
先輩の存在はメリットたくさん!
農地・起農の相談だけでなく、地元の農家さんと縁を繋いでおくメリットは他にもあります。
たとえば、資材を購入するのにベストなお店を教えてもらえたり、
その土地の地質や気候に合った栽培方法を教えてもらったり、
「いつも堆肥を安く大量にくれる○○さん」など業者間のツテを持っていたり、
トラクターなど買うと高い機械を貸してもらえたり、
良いこと盛りだくさん!!
余った苗やら採れたての野菜やら厚意でいただける場合もあり!
筆者の場合
私の場合、那須移住の先輩であり起農の先輩でもあるムクナ豆を栽培されている方に色々と教えてもらいました。
その方は私と違って自宅の目の前の耕作放棄された田んぼを地主さんから直接借りることができたそうですが、次のパートで紹介する農業公社について教えてくださったり、その他にもムクナ豆栽培の方法や販売方法など色んな情報をいただけました。
そのおかげでビジネスとして成立させるまでのプランが自分の中でイメージできたんです。
余った苗もいただいちゃいました
その方のサポート無くして農地の借用は難しかったと思います!
非農家が農地を借りる方法②農業公社に依頼
次に、お住まいの地域の農業公社に連絡を入れましょう。
連絡先がググっても出てこない場合は役所に問い合わせれば教えてもらえると思います。
農地を借りたい旨を伝える
農業公社に問い合わせると、ヒヤリングの場を設定してもらえるはずです。
設定してもらった日時に農業公社を訪れて、先ほどのパートで紹介した農業プランを簡単にシェアしながら農地を借りたい旨を伝えます。
主に確認されたポイントは以下のとおり:
- 農業を始めたい理由
- 借りたい農地の面積
- 借りたい農地の場所
- その他農地の条件(作物によって特定の条件があれば)
- 借りたい時期
- 作りたい作物
- 融資の必要性
「農地の条件」については、例えば不耕起栽培(自然農・自然栽培)をしたいのであれば周辺が慣行農法だとやりづらいですよね。
そういう条件があれば、あらかじめ伝えておくとよいです。
農地を探してもらう
農地を借りたい理由やプランのヒヤリングをする際、申請書に記入を求められます。
その後、
- 農業公社から会議体に申請される
- 申請が受理されると農業委員会にハンドオーバーされる
- 実際の農地探しが始まる
どうやら農地を探して貸し借りの手続きをしてくれるのは農業委員会なのだそう。
農業関連の組織は複数あって、それぞれに役割が微妙に違うようですが、正直よく分かりません(;^ω^)
とりあえず起農したい人の窓口になってくれるのは農業公社だと覚えておいて間違いはなさそう
農地法が改定されて下限面積がなくなった
ところで、2023年4月から農地法が改定されて、従来は5反以上借りないといけなかったところ下限がなくなりました。
つまり1反からでも借りれるようになったということです。
農業を「小さく始める」ハードルが下がったので初期投資も少なくて済むし、貸す側も農地を貸しやすくなったみたいです。
そもそも私の住んでるエリアは標高があるので下限面積は適用されず、昔から一反からOKだったらしいけどね
ちなみに1反は約10アール(1000㎡)なので5反は約50アール。
公式には昔ながらの「反(たん)」とか「町(ちょう)」などの単位はもう使わず「アール」とか「ヘクタール」を使おうっていう流れのようですが、両方おぼえておくと話がスムーズです。
筆者の場合
私の場合、起農の先輩が提唱しているムクナ豆栽培が”ことの発端”なので、ムクナ豆栽培プランを軽く立てました。
ムクナ豆という機能性のある豆を栽培して六次産業化したい、まずは1反から始めて5年で5反を目指します、すでに那須で5年ほど栽培されている先輩がいて指導を仰いでいます、うんぬん
農業公社のFacebookを発見したので、そこからメッセージを送ってお話の時間をもらいました。
担当の方はフランクに話してくださる方だったので、コミュ障の私でも安心して話せました(;^ω^)実は転職面接の時ぐらいに超ビクビクしながら挑んだのですがwww
むしろ「移住してから生活に不便ないですか」と気づかってくださって、すごく嬉しかったです!!
私が挙げた条件は
- 自宅から近い
- 蔓性の豆を作っても周囲に迷惑がかからない立地
- 私のような農業初心者のよそ者でも快く貸していただける
の3つ。
農業公社の方はムクナ豆のことはご存知ありませんでしたが、機能性のある豆であることや那須で栽培されている先輩がいることなどを紹介しながら説明すると納得いただけました。
非農家が農地を借りる方法③農業委員会と確認
申請が受理されると、農業委員が条件に合った土地を探してくれます。
候補地が見つかると連絡が来て、現地を見学させてもらえます。
受理までの時間と候補地が見つかるまでの時間はピンキリだと思われるので、数ヶ月間はかかる覚悟でいた方がいいかも。
筆者の場合
私の場合、申請から1ヶ月で農地が見つかりました。
場所は自宅から最寄りの集落内にある畑エリアの一角で、車で2〜3分のところ。
私の場合はラッキーだったと思うのは、その集落に農業委員の方がおられた事。しかもその方が借りてる農地のうちの1つを私に譲ってくださることになったので、農地探しの手間は実質ほぼゼロだったようです。
申請が受理されるのを待ってただけで、農地はすぐに見つかっていたって状態
近くに農業委員の方がおられない場合、担当の方が地域を訪れて「貸してくれる人いませんかー」って探す時間がかかると思います。
申請してからどのくらいで農地が見つかるかは、運次第かも。
非農家が農地を借りる方法④農地の地主さんと面談(ご挨拶)
候補地を見学して、OKであれば農地のオーナーさんと面談します。
場合によっては借りるための条件や賃料などの交渉の必要があるようです。
筆者の場合
私の場合、農業委員の方に地主さんのところに連れて行っていただいて、地主のおばあちゃんに紹介してもらいました。
おばあちゃんはとてもいい方で、簡単に自己紹介して農業を始めたい旨を話したらニコニコと「がんばってね〜」と言ってくれました。
条件は「荒らさないこと」1つだけ。
農地借りたくせに放置して薮にしないでねってこと。条件というか当たり前のことですね!
お代(借地料)なし。荒らさないでくれるなら無料でいいって😭
ありがたや!!
既述の通り、農業委員の方はその集落の方だし、自分が借りてた1反を私に譲ってくれるという形だったので、話が早かったです。
ちなみにウチの周辺だと借地料かかったとしても年間1万円以下だそう。スマホより安い!
非農家が農地を借りる方法⑤借用の手続き
貸す・借りるが成立すると、自治体に農地を借りるための手続きがあります。
「誰が誰にどの土地を貸す、いくらで」みたいな申請書です。
この申請書を提出すると正式に農地を借りたことになります。
筆者の場合
私の場合、農業委員の方が申請書の提出をしてくれたので、自分では書類を書いてないし見てもいないです。ぶっちゃけどんな申請書だったのかもよく知りません(;^ω^)
とりあえず「AOがその農地で豆を作る」ということが明記された申請書らしいです。
ただし、私が正式に「農家」になったわけではなく単に農地を借りただけ、という状態です。
育てた作物を販売するのは自由だけれど、JAに卸すことはできないし、道の駅など直接お店に置いてもらうにしても「農家じゃないとNG」という場合もあるので要注意。
最初からそういう商売の仕方を目指してないので私は特に気にしていませんが、気になる人はちゃんとした方がいいかも。
起農の先輩は豆を作り始めて5年目に農業公社のサポートを得ながら農家として登録するに至ったそうです
税金の面で農家は会社員や自営業(私はフリーランスなので自営業扱い)と違う面があるので、規模が大きくなってきたら農家として登録した方がいいかも。
そのあたりについてもプランを練ります。
とりあえずは畑が雑草だらけだから、管理しないとー!
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