緑肥ヘアリーベッチはやっかいな雑草を抑える効果あり【移住者がテレワークしながら起農した件#22】
こんにちは!那須に移住して5年目に突入し、農業にチャレンジ中のAOです。
初めて畑を借りた去年(2023年)、約10アール(1反)のうち、ムクナ豆を栽培できたのはごく一部のエリアのため、ほとんどを持て余していました。
しかし放置するとやっかいな雑草に覆い尽くされてしまうため、緑肥を育てることに。
今回の記事では、その緑肥「ヘアリーベッチ」の生育の様子や効果をシェアします。
緑肥として効果が高く、オススメされているのがよく分かる結果でしたよ♪
マメ科の緑肥ヘアリーベッチ
私が栽培チャレンジしているムクナ豆ですが、去年(2023年)畑を借りられたタイミングが7月に入ってからで、ムクナ定植のタイミングを逸してしまっていました。
かといって畑を放置するわけにはいかないので、10アール分の内1アールだけをムクナの試験栽培とその他の野菜作りに使い、残りの箇所では緑肥を育てることにしたのでした。
ムクナ栽培の体験だけでもしようと思って1列分だけ育てたよ
もともと私が畑を借りた時点で耕作放棄地同然の状態だったので、厄介な雑草だらけになってました。
痩せた畑に増えがちな地下茎のスギナ、見た目は可愛いけど種が飛びやすいハルジオン、繁殖力が鬼レベルのギシギシ、茎が極太のセイタカアワダチソウ(かその仲間の何か)などなど。
これらの撲滅と土作りの一助にもなる緑肥として選んだのは、マメ科のヘアリーベッチ。
マメ科は根粒菌が窒素分を固定してくれるので肥料としての期待も高い緑肥です。
しかも地上部(花と草の部分)を土にすき込めば堆肥としても期待できる優秀な子。
地上部も地下部も仕事するなんて優秀!
結果、ヘアリーベッチは実際に効果がありそう!
ヘアリーベッチの雑草よけの効果は
ヘアリーベッチに期待される「雑草よけ」の効果ですが。
これは確かに「効果が高い!」と言えそうです。
他の植物がヘアリーベッチに淘汰される
ヘアリーベッチが茂ると他の植物が90%淘汰されることに驚きました!
借りた畑は耕作放棄地に近い状態だったので厄介な雑草が繁茂しまくっていたのですが、ヘアリーベッチが繁茂した箇所は他の雑草がまったくと言っていいほど生えこなかったんです。
ヘアリーベッチの種を蒔く前には草刈り機で雑草を刈り、雑草の根っこを切る程度に土の表面だけ小型の耕運機(こまめ)で耕しました。
ちなみに種は手で適当にバラマキ、足で適当に土を被せました
こちらが冬を越したヘアリーベッチの4月上旬の様子↓
ぱっと見、ヘアリーベッチしか見当たりません。
残念ながらヘアリーベッチが発芽しなかったスポットがポツポツとあって、そこにはギシギシを中心に強靭な雑草がはえてしまいました。
種をバラ撒いた時に行き渡らなかったのか、強い雑草が残ってて種が負けたのは不明です
同じ時期、ヘアリーベッチの種を蒔かなかったエリア(昨年9月ごろ別の野菜を育てていたから蒔けなかった)は厄介な雑草で埋め尽くされてます↓
ギシギシやスギナなど、痩せた畑に増えがちな雑草ばかり…。
植生の法則が分かりやすすぎるよね
ヘアリーベッチの花
4月下旬になると、ヘアリーベッチの花が咲き始めました↓
紫色がキレイな可愛らしいお花なので、景観も悪くありません♪
小さいので凄く目立つというわけではないけれど。
6月に入ると花が枯れはじめ、ヘアリーベッチの勢いが衰え始めました。
ヘアリーベッチの草が萎れ始めて嵩が減ったせいか、隙間を縫ってチラホラと雑草が育ち始めています↓
6月中旬になると、ヘアリーベッチの株が全体的に枯れはじめ、倒れ始めました↓
7月上旬にもなるとヘアリーベッチは完全に枯れました。
ヘアリーベッチがちゃんと密集して育っていた箇所は、枯れたヘアリーベッチが倒れて雑草を抑制していますが、100%ではないです↓
もともとヘアリーベッチが少なかった箇所は、ギシギシを筆頭とする強くて厄介な雑草が大きく育ってしまいました↓
むしろヘアリーベッチの根粒菌のせいで、雑草が元気に大きく育ってしまった気がする😅
だって、明らかにヘアリーベッチがまったくないエリアの雑草のほうが小さい!
ちょうどいい比較用の写真がないのが残念
というわけで。
ヘアリーベッチの雑草よけの効果は、
「ヘアリーベッチの種をまんべんなく蒔いて発芽させられたら雑草よけ効果が高い!」
という感じでしょうか😊
ヘアリーベッチの土作りとしての効果は?
次にヘアリーベッチの土作りとしての効果のご紹介です。
こちらも効果が高そうです。
ヘアリーベッチ無しの土
最初にご紹介する写真は、雑草を抑えるためにビニールマルチや防草シートを使っていた土です。
7月下旬ごろにマルチや防草シートを被せ、翌春の状態がこちら↓
カピカピ&カチコチになってしまいました。
ムクナ豆を栽培していたエリアの畝間なので、耕作後の土なのに、、、
ちょっと手で掘ってみると校庭のグラウンドのようで、有機物が一切残ってない感じ。
有用な菌や微生物なんか全然いなさそうだし、保水力も保肥力もなさそう。
こりゃ堆肥&肥料がたくさん必要だ
ヘアリーベッチありの土
一方で、ヘアリーベッチを育てたエリアは土が黒くしっとりしていて、いかにも豊かそうな土!
サラサラだけどぎゅっと掴むと塊になる、ほどよい状態でした。
ちなみに写真は4月頃、前日に雨は降っていません
今年(2024年)はここでムクナ豆を栽培中です。
念の為、鶏糞を1株あたり一掴み入れましたが、豆達はいい感じに成長しています。
ちなみに私の手はかなり小さいです
8月に入って異常なほどに雨続きですが、株が弱らずに済んでるのは緑肥のサポートもあると思います。
植生が全く変わった
ヘアリーベッチの効果を感じたのは、ムクナの成長具合よりも厄介な雑草がほぼ消えた点です。
分かりやすくギシギシが少ないし、ハルジオンやセイタカアワダチソウなどの極太の茎&背丈が伸びる雑草が少ない!
ムクナ豆を栽培しているエリアで一番多いのはメヒシバです。
メヒシバは痩せ気味の土で育つ雑草だけど、ギシギシよりは栄養のある土を好む草。
まだ少ないけど、少し豊かな土で育つスベリヒユやツユクサが増えてきた♪
環境がどんどん良くなっている証拠だよ
ヘアリーベッチが完全に枯れる前に刈ったほうがよかったかも
ちなみに、ヘアリーベッチは完全に枯れる前に刈っておいた方が、その後の作業がラクな気がしてます。
ヘアリーベッチは草丈があるし、ちょっとツルっぽい感じの草なので、耕運機の歯に巻き付くんです。
大きい耕運機やトラクターを持っている人ならあまり関係ないかもしれないですが…。
ヘアリーベッチが発芽しなかったスポットがあると、そこにはヘアリーベッチの妨害にも打ち勝って育つ強靭な雑草が育つので、小型の耕運機だと太刀打ちできません。
耕す前に一度は草刈り機を入れないといけないので、枯れたヘアリーベッチに絡まって大変な思いをするよりは、緑のうちに刈って、刈り草を敷き詰めておいたほうが楽そう。
枯れた草が草刈り機に巻き付いて大変だったよ
何も耕作しない予定の人は、そのまま放置すればこぼれ種で毎年勝手にヘアリーベッチが育ってくれるそうです。
どうするかは人それぞれかも?
ヘアリーベッチは那須の寒い冬も問題なく越せる
ちなみにヘアリーベッチは9月に種を撒き、秋ごろに発芽〜成長し始めて冬を越し、春に花を咲かせ、6月頃から枯れ始めます。
那須の冬はマイナス10℃にもなる寒い地域ですが、ヘアリーベッチたちは問題なく冬を越して成長しました。
耐寒性が高い緑肥というのは便利ですね!
実は心配してたんだけど杞憂に終わってよかった
ちなみに今年はシロツメクサ(クローバー)が増えた気がします。
ヘアリーベッチを育てていた脇のエリアに特に多い。
去年まではあまり多くなかったので、同じマメ科のヘアリーベッチの影響なのかな?
おまけの夕焼け↓
リアルはもっと赤くて美しかった!
こういう景色が見られると、「農業って良いなー♪」ってなりますよね。
うまく写真残せなかった…
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