アフターコロナ軽トラが欲しい。
私は2020年6月末ごろに那須の田舎に移住しました。移住前から所有していたアバルト595に加え、アウトドア用として予約していたジムニーJB64が8月半ばから我が家の仲間入りして(1年2か月待ったぞ!)、田舎暮らしの大きな助けになってくれています。
ですが、家庭菜園用の道具など大型の園芸用品を購入する際など、
思ったこともしばしば。
勿論、ホムセンでレンタルすることも可能なのだが、片道30分以上かかるとなると何度も行き来するのは正直めんどー。
かといって軽トラ買うの?スポーツカー乗り継いできているアタシが?
同じように感じている移住者は多いのでは?
しかも2021年度から「テレワークで東京の仕事を続けつつ地方に移住した人に最大100万円を交付する」なんて政策もあるんだから、田舎に移住する人が増える(見込み)でしょ。
これは、新しいアフターコロナ(AC)時代の新生活様式に合った新ボディータイプが必要なんじゃない!?
そこで、自分なりの考察を交えながら
というコンセプトを勝手に考えてみました。
まとめ買いは大荷物になりがち
我が家は週に一度黒磯の街の方まで、片道30分かけて加工食品や日用品をまとめ買いしたり、その足でホムセンで園芸用品を買ったり、
毎度結構な大荷物になります。
それでも2人+1匹暮らしなので軽自動車のリアシートを倒せば載せきれる量で済んでますが、これがファミリーだったり、別荘地ではない田舎暮らしとなると、もっと遠出するし更に大荷物になるんじゃないでしょうか。
洋服や家具などオンラインショッピングで済む(の方が良い)買い物もありますが、依然として食料や日用品など毎日必要なものは実店舗でまとめ買いしたほうが安いし早いし確実ですからね。
あと、我が家は2人で食べる分程度の家庭菜園しか作るつもりないですが、もしかしたらもっと広い農地で家族全員分+親戚に送る分とか、けっこうな量を作りたいって人も多いのでは。
ていうか、都会暮らしだって駅前の狭小スーパーじゃ足りない時なんかはちょっと遠くに買い出しに出掛けたりするし、
維持費の安い軽自動車でありつつ積載量も多い車って、実は隠れた需要があったりするんじゃないだろうか?
昨今のアウトドアブームを考えても、外で使う汚れた道具とかを気にせずドーンと乗っけられる車って、絶対に便利ですよね。
「軽トラ=農家」イメージが強すぎる
とはいえ、軽トラ買うか?なんて発想に至る人、少ないんじゃないだろうか。
だって、移住者で家庭菜園もやっている私ですら、
抵抗あります?
軽トラって言うと、どうしても農家とか業者さんのイメージだし、そのどちらでもない人間が容易く手の出るモデルではない。
自家用車としてはあまりにもドライすぎるんですよね…
実用性以外の要素ゼロ!
みたいな。
しかも姿形がカッコ悪い上に、乗り心地も悪い。
乗り心地に関しては、私の愛車アバルトとジムニーもかなり悪い部類だが、その比ではない!
ってか、農家さんだって、軽トラが欲しくて乗ってるなじゃなくて、それしか選択肢がないから乗ってるだけって人も多いんじゃないだろうか?
勿論、農業用(に限らず商用車)として優れている面も多々あるんだろうから、長い歴史を誇っているんだろうけども。
軽トラ市場の現状と課題
かつてはほとんど全部の自動車メーカーから自社開発の軽トラックが発売されていたが、今となってはスズキ「キャリイ」、ダイハツ「ハイゼット」、ホンダ「アクティ」を残すのみとなっています。
ホンダのアクティに関しても、2021年6月にディスコン(生産中止)されるので、実質スズキとダイハツの2社しか生き残っていないんですね。
実際2社で市場の8割のシェアを獲得しています。
縮小しつづける日本市場
大手自動車メーカーが軽自動車を自社開発しない最大の理由は、縮小を続ける日本市場のせい。
2019年の軽トラックの販売台数は約18万台。軽自動車全体で言ったら10%に過ぎない…。
しかも、10年前に比べると約15%下がったそう。
台数だけの問題ではなく、こういった商用車は実用性が全てと言っても過言ではなく、他社との差別化が難しい上に顧客が超価格コンシャスな商品ですよね。
要するに、薄利多売でなんとか成立している市場なんだけど、多売が少売になってしまったら市場崩壊するしかないってワケ。
そりゃー大手はプレミアムでラグジュアリーな他の車種で高利益を狙いに行くよね。
ガラパゴス日本市場
そもそも軽トラだけでなく、日本の自動車市場そのものが縮小しているため、自動車メーカーは北米や中国など富裕層の多い海外大型市場にその活路を見出しているんです。
そういう戦略なので、日本国内限定で、しかも限られた台数しか出ないモデルにお金をかけることなんて出来ないのだ。
特に日本の軽トラックは、正にガラケーと同じように、日本独自に進化を遂げたガラパゴストラックで、海外にはその市場がないんですね。
そもそも軽自動車という規格が日本固有のものだから、、軽トラなんて海外に持って行っても税制優遇なんてないし、ただただ小さくてパワーもなくて中途半端な車格でしかない。
軽トラに限らず、日本にもコアなファンはいるけど市場規模が小さいようなモデルなんかは、どんどん撤退していっているってのが現状。
農業就業人口の減少と需要の変化
2010年の農業就業人口は260万6000人だったが、2019年には168万1000人に減ったらしい。
しかも日本人の体格は年々大きくなっていっている為、従来型の軽トラじゃ運転しづらいと思う。
軽トラに乗ったことがある人ならわかると思うが、荷台を目いっぱい確保するためにキャビン(運転席・助手席のある居住空間)が極狭で、しかも背中側が絶壁になっている。
シートの調整がしづらいから、ステアリングホイールやペダルとの間隔がドライバーのポジションに合わせづらいんです。長身で恰幅の良いドライバーが運転するには、無理な着座姿勢を取らざるをえない。
スズキやダイハツが、その点を改善するためにキャビン部分の高さや奥行きを広げたモデルを出したこともあるが、その分価格が高くなったり荷台が短くなったり、デメリットも大きい為あまり評価は高くない。
ベース車が出来上がった状態で、小手先だけの改善じゃ全然足りないよ!ってことなんでしょうね。
過去の名車とAC軽トラに欲しい要素
私は個人的に軽トラはカッコ悪い、自分にはそぐわない!と思ってるんですが、過去にもそういう軽トラしかないのかというと、実はそうでもない。
農道のポルシェ「サンバー」
見た目は普通の軽トラだけど、実はスゴイ奴!
現行のサンバーはダイハツ「ハイゼット」のOEM車になってしまったのだが、2009年まではスバルが自社開発したモデルを発売していた。
サンバーは、エンジンをリアに搭載して、4輪独立式サスペンションを備えたユニークな軽トラで、
農道のポルシェ
の異名を誇っていました。
軽トラでありながら乗り心地がソフトで、特に果物などのデリケートな荷物に優しい仕様だったそうな。
スバルらしいドライビングフィールで、ハンドリングの機敏さやドライバーとの一体感を楽しめるパフォーマンス。
それはもう、ドライに実用性重視、軽トラという作業車でありながらも、「運転していると、なぜか楽しい気分になる不思議なクルマ」と言い表される程で、競合他社ですらサンバーを高く評するほどのクオリティだった。
欲しいのは、そういう魂のこもった、ただの荷車じゃない「クルマ」。
ボンネット型軽トラ:マイティーボーイ
通称マー坊。
スズキのセルボという軽クーペをピックアップトラックにしたモデル。
ご覧の通り積載量はトラックの名を冠する事が憚られる程だがw
その分キャビンスペースは普通の軽自動車並みに取られているし、ドラポジもそれなりに融通利きそう。
しかもAピラーの角度なんかも完全にクーピッシュなスポーティスタイルで、トラック感ゼロ。
今見ると古臭くはあるが、クーペベースなお陰で都会的なスタイルだし、オープンエアーの荷台という実用性も同時に兼ね備えている。
もっと今っぽく、都会的な洗練されたスタイルと田舎らしい自然体なスタイル、その上で実用性のバランスをとれれば、
理想の田舎暮らしカーになる気がする。
(番外編)軽じゃないピックアップトラックの名車
ご存知ジムニーのピックアップトラック版SJ40T、通称ジムトラ。
ジムニーシエラ(軽じゃない方)をピックアップ化しているから軽トラじゃない。
この時代のジムニーは本当にカッコいい!無骨な感じが!
ジムニーの走破性にピックアップの実用性が合体したら、そりゃもー最強じゃない!?
1982年に発売されたが、当時はまったく人気が出ずに日本ではほとんど出回っていないらしい。
アウトドアブームと重なったこともありJB64が大ブレークした昨今、急激に注目を浴びているみたいだけど。
JB64のピックアップ改造車が出てくるほど、実は再販を熱望されるモデルなのだ!
その他にも、日産のサニートラックやトヨタのパブリカピックアップなど、旧車と呼ばれる中には素敵な乗用車ベースのピックアップトラックが多数存在する。
まさに、ベースが乗用車としての個性を確立されているというか、そういう個性を引き継ぎつつトラックとしての役割も果たせるような、そんな要素が欲しいんです!
アフターコロナ軽トラまとめ
日本の軽トラ市場は縮小するばかりだが、時代の転換とともに、自動車も一緒に変わっていかないと、本当の本当にガラパゴス化して自動車メーカーも軽トラ購入層も追い込まれる日が来るんじゃないだろうか?
それを避けるためには、新たな客層を取り込む必要があり、それは都会からの移住者や若い世代の農業就業者、そして都会に暮らしつつもアウトドアや園芸が好きな層だと思う。
多分に私の個人的趣味が盛られたコンセプトではありますが、うまくいけば軽自動車市場の5%ぐらいゲットして年間10万台規模の市場になるんじゃない!?w
少なくとも、私はそんな車を熱望しています!
自動車メーカーの皆様、どうぞご一考くださいませ♪
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